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中田英寿 [スポーツ]

中田が引退を表明した。
いち、日本のサッカーファンとして、一言記したい。

まず、引退は、適切かつタイミングの良い決断だと思われる。
フィジカルとスキルのピークは、ローマ時代だったのではなかろうか。。。
もちろん、そこから先に、経験やずるがしこさを加味したプレーを行っていっても十分世界と通用出来ると思う。
しかし、”凄み”という観点からすると、4年前位がピークだろう。

個人的には、中田という選手のプレー自体は、それほど好きなタイプではない。
しかし、日本に(これはサッカーという観点だけではなく、社会、文化、未来など日本国としてのプラス)
必要な存在であったのは間違いない。

彼が、日本と世界の距離感を正しく示してくれ、企業が言う、くっだらねーグローバルスタンダードではない、
個としてのスタンダードを示してくれた。
日本人が持つ、外国に対する自意識的な劣等感をどれだけ緩和させ、この国の若者を外に向かわせる原動力
になったであろう。欧州の持つ、懐の深さと閉鎖感を教えてくれ、それを加味しながら、世界を眺める目を日本人に
持たせてくれたのであろう。

ペルージャに移籍し、初戦のユベントス戦に先発しただけでなく、試合に負けたとは言え、二得点を取った?!
と聞いた時、何が起こったのか、理解不能に陥った事を覚えている。
セリエA初戦で、昨年のスクデットチームから2得点??!!!
この日、中田はもちろん第一節ではあるが、セリエAの得点ランキング1位になったのである。
(多分、ここから日本は強い。という錯覚が始まったのだろう。今回の俊輔のスコットランドリーグ優勝とか。今回の結果は、世界の中での位置付けを認識する事が大事なのだ。そして、サッカーは何が起こるか分からない事も)
ローマがスクデッドを獲得したときのユベントス戦も。王子”トッティ”と交代して出て来た中田はいきなり活躍し、
この試合でスクデッドへの流れが決まったのだ。この時は、中田は本当にサッカーの神に愛されたのだと思った。

マスコミに対する対応も、マスコミを鵜呑みにしない事をきちんと懸命な人たちに分からせてくれたと思う。
当たり前だが、サッカーがめちゃくちゃ上手い=何でも出来る人ではないのだ。
自分をきちんと伝える為に時間がかかる人、人前で喋るのが得意ではない人。シャイな人。
中田はプロであろうとしたが、決して話が上手い訳ではないのだ。マスコミは、このギャップを自分たちの経験則
で埋めて報道するしかなかった。彼らは、話が下手な人から上手く話を引き出す術を(ようするに報道のスキル)
持っていなかった事を露呈してしまった。

彼のおかげで、自分の意見を言う場”ホームページ”いう方法さえ確立してしまった。

中田英寿は、世紀末の日本の最大の構造改革の起爆剤だったのではなかろうか。
小泉首相も、彼に頭を下げるべきである。彼はそんな事は全く望まないだろうけど。
日本をよくする為には、彼のような存在を、たくさん世界に送り出す事が一番手っ取り早い手段だと思う。
その為に、政府が出来る事は、出来る限りの規制の緩和と海外の人々の受け入れであると思う。

中田英寿に、もし会えるのであれば、本当に”ありがとう”と言いたい。
それは、日本にとってありがとうで、サッカーに関する事だけではない。
今回のワールドカップを観て思ったのは、日本国を愛する国民を増やさない限り、
日本代表は、ワールドカップで勝つ事は出来ないと思った事だ。
日本を愛する心。今、愛国心をいう言葉を使うと、どうも自分が欲しいニュアンスとのずれを感じしてまうけれど、
自分が属する最大単位の国というものを真剣に考える国民が増えない限り、日本はワールドカップで優勝など
出来ないだろう。
そして、その俺が思う愛国心を考える事自体を中田は俺に与えてくれた。
中田がその事をどう考えているかは分からない。しかし、世界と向き合う時、自分のバックボーンとしての
国があるほうが絶対に強い。個である事は大事であるけれど、(いやむしろ前提ではあるのだけれど)
自分のルーツを誇れる国を作らねばならないと言う考えを彼の行動から持った人間がいると言う事を記しておきたい。

中田英寿。ありがとう。そして、また違う形で、会いましょう。出来たら直接ね。


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