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ルノアール 〜伝統と革新〜 [展覧会]

国立新美術館のルノアールの展覧会。
前からかなり楽しみにしていた。
これだけたくさんのルノアールを一度に見れる事などなかなか無いだろうと思っていたから
なのだが、


これから行かれる方もいらっしゃると思うので、少し下げておきます。




それがむしろ裏目に出てしまったような展覧会だった。。
数が多すぎる事よりも作品のクオリティが低かった。。
勿論素敵な作品もあるのだが、なんと言うか明らかに絵としての質が劣る作品が多いと
感じてしまった。
もしかしたら、実際にはそんな事はないのかもしれない(とはやっぱり思えないけど)
でも、中には「これは明らかに本人は世の中に出そうとは思っていなかっただろう。」
というような、下書きのような、書き損じのような作品が平然と飾られていた。
歴史のいたづらの中で、本人の意志とは全く関係ない所で、作品として売買されてしまうような事は
確かにあると思う。ぶっちゃけ売るほうも売る方だが、買う方も買う方だ。
ルノアールという名前だけで、買ったとしか思えない。そんな風にしか見えない作品もあった。

所蔵先を見ると、日本にあるルノアール作品は、全部ここに集まったのではないか?という
位色々な日本の美術館が名を連ねていて、なぁんか、大人の事情もあって飾っているんじゃないの?
って訝しく思えてしまいます。
新美術館はホントでかいからね。まず数を揃えないと。と考えてしまうだろうけど、
しかしあえて、数を絞って、質にこだわったほうが絶対に良いと思う。
人は、たくさん見たいんじゃない。すごいものを見たいんだ。
(昔見たダヴィンチの「受胎告知」が好例)

そして、次に気に入らなかったのは、ルノアールの絵を光学調査したという発表を
展覧会の流れの中で大きくやっていた点。
あれ、あの場所に必要か???
やるならせめて、もう一個の映像コーナーと場所替えた方がいいだろう。
研究に意味が無いとまでは言わないけれど、展覧会で大々的にフロアーを取ってやる事とは
どうしても思えない。
若い頃と歳を取ってからで、使う色の傾向が変わった?、下絵はロングヘアーだったのが、まとめ髪に変わった?So what???
そんな事は、表現をしていれば自明だろうし、絵描きが作品のプロセスや傾向をわざわざ
見せたいとは、とてもじゃないが思えない。
世に出した作品そのものが、評価の対象であり、全てだ!
歴史、文化、という側面から調査を行う事は、必要だと思うし、意義があると思う。
しかし、展覧会の順路の途中で大々的に行う事ではないと思う。

ふたつも指摘したくなる展覧会となってしまった事で、プラスの面は、ほとんど食われてしまった。
実際3枚のポストカードを買って来たけど、カタログは買わなかった。必要ないと思った。
これは、私としてはかなり珍しい事だ。

タイトルの「ルノアール 〜伝統と革新」。
このタイトルは、とても挑戦的で素敵だと思った。
「伝統と革新」というタイトルを付ける展覧会は、飾る作品もそうだが、
展覧会そのものの姿勢が、まさに伝統と革新を持ったものじゃないといけないと思う。
いや多分、展覧会のタイトルというものは、そういう気概を持ってつけらえるべきものなんじゃ
ないだろうか。

最上級のルノアールをたくさーーん見たくなってしまった。
やっぱり日本では無理なのかもしれないな。渡欧したい。なぁ。


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