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カンブリア宮殿 村上龍×経済人 [本]

最近、龍さんの新刊出ないよなぁ。。と思っていたけど、テレビの司会を週1でやっていたら、小説なんて書ける訳ありません。本人もそれは分かっているはず。
それでも、テレビをやりたかったんだろうなぁ。
テレビがどうとか、と言うより、小説のような仮想空間だけではなく、および二次元的な情報ではなく、本人が欲している情報をダイレクトに得る為にやりたかった(やっても良いと思った)んだろうな。
彼は否定するだろうけど、公人としての村上龍というものも、もう絶対的に必要となってしまうのだろう。それは単純にキャリアの問題。後人が育ってしまった以上、ある程度公の人間にならざると得ない。
そんな状況と要請とが相まって、TV「カンブリア宮殿」があるのだろう。

そのカンブリア宮殿の書籍版が本書である。
テレビで行われたやり取りを文章化したものと、その時の各人に対する感想が龍さんによって述べられている構成。
村上龍の本。というより、様々な経済人のインタビュー集である。編者が村上龍。

全体から見えてくるのは、成功した経済人の共通項である。
はなからそういう人を選んでインタビューしているのかもしれないが、基本的にシャイである事。というのが、私が一番に感じた共通項であった。
シャイというのは、ネガティブにも用いられる言葉かもしれないが、個人的にはとてもポジティブというか、人間としての基礎能力としてのひとつだと思う。
「シャイである」事。というのは、人との距離が計れる事だと思う。
イメージとしてのイタリア人が、例えば、フランクだとしても、それとシャイである事は、対立項ではない。
「シャイである」事。は、人との距離を測れる事。
というのは、常に距離を取るのでは無く、相手との距離感を読む能力に長けている事である。
それは、自分と相手との関係をきちんと観察、把握、出来る事である。
交渉およびコミュニケーションに長けている。という事である。

そういう、経営者としての必要というより、十分な条件を備えている人ばかりであった。
そのような結果を観ると、ステレオタイプに考えてしまいそうになるが、そうではない。これは”必要”ではなく”十分”な条件でしかない。そして、それは、後からいくらでも身に付くものである。

ちょっと、自分のものつくりの為に成功者のイメージというものを掴んでおく必要があった。
その為に最適のテキストであった。
ちょっと前に書いた向田さんのテキストと同様、龍さんも俺の根幹を成す人物。
興味の方向は、むしろ、彼によって、流されている気もする。
だけど、それは、間違ってない舵取りで、船長は、龍さんじゃなく、私なのだ。
その道を、形に。少しでも世の中を良く。少しでも勇気を。

龍の道に続く事は、決して間違う事がない道である。


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ゲドを読む [本]

史上最大のDVD広告作戦。
だと思っていた。
一枚のDVDを売るために100万部を超える文庫本を無料で配る。
既に人気作であり、期待のでかい作品に対して、作品にふさわしい
プロモーションと考え、映画「ゲド戦記」の入り口を増やす為に用いた
作戦。

だと思っていた。

話が、それて、私は「ゲド戦記」を劇場で見たが、評価としては
「普通」であった。別に駄作だとは思わなかったが、作品としては
凡庸だと思った。現に今、どこかシーンを思い出せるか?と思うと、
ほとんど思い出せない。自分に追われて草むらに入り込むシーン?
くらいか。(なんて、クライマックスのないシーンを思い出すのだろう。
それは、それで、自分の側としての別の意味で興味深い。)
人物の動かし方は、実写っぽいな。とは感じた。という感想しか出て来ない。
比べる相手は、巨匠なのだし、それはしょうがない。そして、これが
デビュー作なのだ。とにかく一回で止めないで撮り続けてもらいたいなと
思った。一作で止めるなんて、映画という表現に対して失礼だ。
それは、鈴木敏夫さんも分かっているだろうから、次回作もあるだろう。

そして、この「ゲドを読む」だが、ものすごい問題作である!
映画のプロモーションなんて範疇の代物ではない。
多分本気で、簡単な言い方をすれば「世の中をよくする。」
気で作ったものに違いない!!

簡単に言えば、「小説「ゲド戦記」の讃歌」である。
そして、そのゲド戦記のもつ、豊潤な世界観を一端でも知ってもらい、
かつ、もし良かったら、小説を手に取ってもらい(ついでに良かったら映画も見てもらい程度にしか見えない)、いろいろ考えて欲しい。世の中の事を。現在の事を。
もし、小説を手に取る所までいかなくても、この本を読むだけで、自分の生きるこの世界、自己の事を考える、一歩になってくれればいい。

そんな想いがにじんでいる。そんな作りになっている。

100万部という数字を全面に押し出したプロモーションには、そういう意味があるのではないだろうか。100万という数ならば、誰でも知っていて当たり前という風に思える数である。そこまでいけば、誰もがなんとなく読まなきゃ。と思うのではないだろうか。
そんな「誰でも」な空気を作り出して、この内容の本を読ませるのである。

俺は、これを読んで、まだまだ視野が狭いな。。。と思った。
いろんな方向にアンテナは立てているつもりだが、まだまだだなと。。
そして、最近、少し視野を狭めて、深さを追求して行こうと思っていたが、少々方向転換を図ろうと改めた。
まだ視野を狭めるには、見えていない事項が多すぎるな。と。
狭めた事によって、ただ単に見たくないものをみないようにしようとしていただけのような気がした。

この本が、少しでも多くの人に読まれ、少しでも人々が首を上げ周りを見渡す事の一助になれば、
そんな想いを私も共に持つのに十分なサプライズだった。
すごいよ!ジブリ!!


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「ダーティ・ワーク」 絲山秋子 [本]

絲山さんの最新作。
ま、何気なく何も考えずに買って、中を開いてみて、まず驚いた。
「ダーティ・ワーク」とは、ストーンズのアルバムから取ったタイトルだったのだ!
そして、中の小タイトルは、ストーンズの楽曲たち!
アルバム、「ダーティ・ワーク」からばかりの選曲なのかと思ったら、結構いろんな
アルバムから付けていた。ダーティ・ワークという言葉に惹かれてつけたのだな。
と思う。
そうだ。この人の音の探りからいけば、普通にストーンズは聴いているだろう。
でも、タイトルにするほど好きなのかなぁ?でも、ここから物語の骨格を成す
一部分が生まれたのは自明だ。

まぁ、やっぱり、この作家の出会いは必然なのだ!
このおかげで、またアルバム漁りを再開しようと思い出せたからありがたい。
「BLACK AND BLUE」をネットで購入した。

で、内容。
途中までは、ものすごく面白かった。でも途中からダレた。
人と人との相関図を無理矢理作り出してしまっていて、それが作品からパワーを奪って
いた。ただ良い方向にこれを読むとすると、最初と最後が決まっていて、そこまでの
過程に途中があり、そこを輪廻する為に周りがあるのかもしれない。
そう考えると、熊井とTTの周りが一番忙しいし、そこは良いのかもしれない。
そして、最初と最後の章は、やさしくて好き。この優しさも全然異質なんだけどね。

ただ、途中、皆がバラバラで進んでいった時のエネルギーというか、読ませるパワーが
一度、ガクン!と落とされている。四本目の所かな。あきらかに繋ぎという感じの所。
ストーリーが無くて、繋ぎ。フィニッシュまで持っていく為に必要だったのかも
しれないけど、その前がテンションえらい高いからねぇ、ちょっときつい。

でも、ここに対するタイトルの付け方が絶妙で、この四本目は、「Before They Make Me Run」。ストーンズのアルバム「Some Girls」に収められているキースのボーカルナンバー
である。
ストーンズのライブには、途中「キースタイム」とも呼べるキースがボーカルを取る途中のコーナーがある。俺は、ストーンズの中で一番キースが好きなので、この時間も大好きなのだが、アメリカ公演などでは、「トイレタイム」とも呼ばれる、息抜きの時間らしい。>アホか!!
このタイトルの妙。絶対にここはダレる繋ぎの文章になるから、キースの楽曲を(というか本の全体の流れとストーンズのライブを結び合わせた)持って来たに違いない。
深読みしすぎ?んなことねぇと思うよ。作家は、そこまで考える生き物だし、まぁ、好きな楽曲を並べて、この曲が入ってもおかしくはないけれど、あまりに文章とマッチしすぎていると思うもん。本人に会えるなら質問してみたいもんだ。

この文章を書くために、この物語の登場人物の相関図を書いてみた。
こうやって並べると、辰也と持田ちゃんの所が、どうにも強引。ここが無いと輪廻しないから、特に。
辰也、前の彼女目線で書かれている人間と全然違うし。

最後に途中で書いた感想を自分の為に載せておく。ホント途中までのテンションが楽しかったのだ。
「音楽のチカラをわかっているつもりなんだけど、それでも何度も「はっ!」と気づかせられる。
音楽と言葉は近いようで、結構交わらない。
だから、作家は音楽を書くのだろう。」

絲山ダーティ・ワークのプレイリストを作って、連続で聴きながら♪


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「カイミジンコに聞いたこと」 花井 哲郎 [本]

この本に出会えたのは、全くの偶然。
その偶然は必然。どちらにしても感謝をしたい。

たまたま、自然系の本を探しに、八重洲ブックセンターに行って、そこで出会った。
八重洲では、たしか一階にも平積みになっていたと思ったけど、タイトルに惹かれ、
そして、三階では、なんと川上弘美さんの書評が一緒に置いてあって、
これはもうハズレは無い。無茶苦茶絶賛してるし。と迷わず購入できた。
ありがとう、川上さん♪

さて、本の内容。
東大の古生物の教授のエッセイ。中身は、彼の分野からが多いが、
自然を見る目と、先生としての人を見る目、世間を見る目が、学者らしいピンと背の伸びた印象を与えて、興味深かった。
ひとつを極めると、そこから世界が見えてくる。というのは、単純な真理だ。

そして、その文章の切れ味の鋭さ。川上さんも褒めていたけど、これはある意味、
素人の怖いもの無さが大きいと思う。作家だと、ここまで大鉈は振るえない。
でも、切れ味抜群で、一遍読み終わる度に、胸のすく思いがする。
たまに、ちょっと、鈍い時もあるけど、それもご愛嬌。
最後の2、3行でがらっとずばっと、切ってくれる。

そのバックボーンにあるのは、経験である。ほとんど経験に因る内容だから、嘘がない。
そして、それに実直であるというのは、きちんと伝わるものだ。
感動的な内容も多々あるが、全然くさくないのだ。
これは、お人柄と経験のミックスだから、とてもじゃないが真似は出来ない。

エッセイとは、作家が書くものではなく、このような人が書いたほうが面白いのだろう。
なかなか、これだけの書き手が出てくるのは稀だと思うが。

とにかく、はっ!とさせられる事の連続であった。
なんだろう。自分も視点にもっと深みを得られるように、まだまだあらゆるものを吸収していきたいと
思った。そして、もっと自然を愛でなければと感じたのであった。


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「夢を与える」綿矢りさ [本]

正直、面白いとか面白くないという線上で、論じる事が出来ない作品。
悪くはないし、自分が感じる所の違和感も少々ある。

でも、それ以上に興味があるのは、何故?この内容の本を書いたのか??
何故書きたかったのか?と言う事。
この人の興味が、まだ、思春期の不安定にあるから?なのか?
自分が芥川賞狂想曲で感じたものが形になったのか?
もっと漠然としたものなのか?

芸能界というのは、違和感の塊だろう。
そして、そこに思春期を重ねて、その不完全でいびつな状態を描くという方法は
有効な手段なのかもしれない。

結局、俺が、この本を読むべき対象やタイミングじゃなかっただけかもしれないな。
ただ、幼い書き手であるとか、自分とは合わないジャンルであるとか言う理由で、
今、彼女の本を読むのを止めるという事だけは無い。という事だけは書いておこう。

次も読みます!多分、その次も。


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「ミステリアスセッティング」阿部和重 [本]

阿部さんの本らしい、気持ちの良い読後感があった。
一度に一気に読む。
無茶苦茶な話を気持ち良く小刻みに綴ってゆく。
結構短いのかもな。

でも、なんつーか、気持ちの良い読後感しか残らなかったという印象もある。
あ、でも、妹さんの所とか、ちょっと異質。。わざと?だろうね。

極端なもの(人)の絶妙な組み合わせ。
アルトマン的な人物描写は、ホント、この人の真骨頂。
一体、どうゆうプロットを用意すると、こんなアンサンブルを書き出す事が
出来るのだろうか??
綿密というより、単純な才能?いやいや、そんな事は無いだろう。
ただ、無理を感じない所までもっていくのが、プロで食う事の当たり前の礼儀だろう。

これは、映画に向いていると思った。
特に、音痴だが、泣く声が美しいという所。ここは、言葉を費やして表現しても
いい事のように感じるが、結構さらっと流している。ただ、泣き声を聞きたくなる。
後味は残る。

あと、ちょっとだけ気になったのは、途中で時代背景が近未来である事を明かした部分。
そこだけ、リアルになっちゃって、少し浮いた。
ただ、911を経験している事が無いと、きっとおかしくなっちゃうんだろうな。
戦闘もののリアルは、この線上にしか、局地的なものでない限り、これからは乗ってこない。
悲しいが、これが、今の世界の(表現の)現実なのだな。と感じた。


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綿矢りさを読む前に〜文芸春秋三月号特別鼎談 [本]

綿矢りさが、三年ぶりの小説を出した。
気になってはいたのだが、手は出さないかもな。。。と思っていたのだが、
今回の文春の、石原慎太郎と村上龍との鼎談を読んで買おうと決めた。
明日、買おう。

三年前に、「蹴りたい背中」を読んだときに、どこかに感想を書いたので、
それを探してみたのだが、見つからなかった。
ただ、確か、「すごく面白い。と感じたわけじゃなかったけど、何か違和感を感じた。」
という事を書いたと思った。
「彼女が成長してからの小説が楽しみだ。」という事も書いたと思う。
しかし、そんな感想を持った事はすっかり忘れてしまった。
時間とともに何かが風化してしまったのだな。

しかし、今回、この鼎談を読んで、違和感が確実なものだったのだな。という事を
ありありと思い出した。

三年のうちに、言語を確立したのか、もともとこれだけの事を言える才があるのか、
文春の編集が上手いのかわからないが、
この感じた「違和感」が、確実に彼女が作り出し、意識を持って本に書き付けたものなのだな
という事が、よーく分かった。そんな事が出来、かつ、それを人に説明出来る位整理されている人の書く小説というのは、魅力的に決まっておろう。
そして、それを3年前の小説でも感じていたのだから、今回も「読まねば!」と思った。

今回、この鼎談を読んで、期待は裏切らないだろうと思えた。
すごいな。
楽しみだな。

p.s.文春を買った、一番の目的は、勿論芥川賞を読む為である。上記二人の選考委員が、推したという作品もかなり気になるばかりである。


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「送り火」 重松清 [本]

もともと、買う気のなかった本だった。
一個前に読んだ文庫本も重松さんで、
中身をちょっと吟味して、あっち(「卒業」)を選んだ。

が、出張でいきなり泊まりになって、何も用意もせずに出てきて
手持ち無沙汰になって、ホテルの近所の本屋で買ったのだった。

そんな縁で繋がった本。

読んで良かった。。。
9本の短編。そのどれもが良い。という訳ではなかったのだが、
中の一編、「よーそろ」が、もう、なんだ??わざとチープな言い回しを使うが、
すごく良かった!!

これこそ、正に、自分が欲しいテーマを上手く小説という形に変えて、提示している
作品だと思った。
あとがきに9編それぞれ、どうやって着想したかが書いてあるが、
このように常にアンテナをたて、自分の仕事との擦り合わせを行うのが、
作家の仕事の一部であるのだな。と切に感じた。

「よーそろ」は、パソコンで(本当は手で書いた方がいいんだろうけど)写し書こうと思う。
そのテーマに対する、砕き方?(というか表現方法やな)を自分の中で深く考察したい。

出会うものには出会うべく出会える。でも、そうも思うが、出会うべきものをまだまだ見逃しているのだな
とも思える。アンテナを広げ、感度を上げておかなきゃな。


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「卒業」重松清 [本]

人前で涙を見せる事に抵抗が無くなっている。
感動した時は、素直に泣く事にしている。
もちろん、号泣を出来る訳ではないが、目をうるませたり、頬を伝うほどの涙は別にどうって事ない、と思う。
結局、大人になっているのだな。とやっぱり思う。
確固たる我を持てればたいていの事は恥ずかしく無くなる。
嘘をついていないから、恥ずかしくはないのだ。
それ自体は、もし仮に嘘だとしても自分の、一人の人間の中で嘘で無ければ、
何も恥ず事は無くいられるようになったのだ。

さて、本題。
計、4編の短編集。
そのクライマックスのどれもで涙した。
重松さんの上手さのひとつにじょじょに感情をゆさぶるのではなく、
数行で一気に高みまで持っていくテクニックがある。
その前の運び方の伏線を含め、それはとても上手いと思う。

とても、作家性を感じる人である。
叙情的なものを書きたいと思っている感もありつつ、その中でテーマも絞っている。
泣かせる事に趣きを置いている訳ではなく、もっと大きなものを書くための手段として、
そのような内容に落とし込んで、話をしたいと考えているように思える。
作家性と大衆受けのバランスが、(絶対にそのバランスは見極めて)とても良い。

どの話も、ありふれたようでいて、自分の周りで聞いた事なんて無い内容なので、
作り込んだ話なのだ。と読後冷静になって気づく。
読んでいる途中は、そんなに冷静に内容を吟味出来る訳も無く、ただ流れの中での
己の感情にひたひた触れる文章に引き込まれているだけである。
かと言って、とにかく一気に読み切ろう!と思わせる強引さもなく、日常のちょっとした異変という
スタンスで読んでいける。技量と重松さんの人生の懐のなせる技だと思う。

丁度、今、また新しい文庫本が出たばかりのようなので、チェックしてみたいと思う。
自分の中で、持っておきたい感情の引き出しを確認させてくれる作家さんである。


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「魂萌え!」桐野夏生 [本]

最近、本を読むスピードが速くなった気がする。
それとも、面白い本ばかり読んでいるのだろうか。

一日で上下巻一気に読了。魂萌え!

気になったのは、映画の予告編だった。
阪本順治監督が女性を描いた作品を撮る!
という事で、俄然原作が気になったのだ!
しかも原作、桐野夏生。
あぁ、なんか間違いなさそうだな。と。そして、阪本監督がこれをどう気に入り、
映画にしていくのかという事自体が気になって、買ってみた。
映画も行きたいにゃぁ。

さて、本です。本。

いっちゃん、はじめの感想。嫌われ松子の年寄りバージョンやね。と素直に思う。
ストーリー自体も大変スピーディで読み易く面白い。
ただ、あまりに読みやす過ぎたのか、自分の視点が、まだ息子や娘の世代だからなのか、
感情移入出来る場面が少なく、そこまでのめり込まなかった。
少なくとも、子供がいないと実際に対象比較が出来ないだろうな。
まだまだ人生甘茶んだと実感。。

しかし、これが映画として料理され、そして、監督が阪本順治となるとなると、
俄然観たくなる!!
この起伏とメリハリのある原作をどう映像に落とし込むか。
そして、文章で綴られている、老いと孤独と自由をどう風吹ジュンと阪本監督で表現していくのか?
内面の葛藤の多い文章である。さすがにアフレコで処理するとは思えない。どうするのか?興味津々である。
俳優陣もかなりの達者ぞろい。楽しみである。

しかし、タイトルの「魂萌え!」って軽すぎないか?
飄々としている感は良いと思うが。。「萌え」はちょっと。。
まだ、感覚が甘いんかなぁ。。。


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