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モネ展 [展覧会]

国立新美術館に初めていく。ぶっちゃけ、全然好きになれんわ、あの建物。あれが共生なの???
で、モネ展。
まず、やっぱり、、、混み過ぎ!
金曜日の昼間に、何故あんなに人がいる?!
しかし、モネは、日本人にかなり人気のある作家なんだね?!
国内の美術館が持っている作品の数の多いこと!

で、こっちもぶっちゃけ。
モネはあまり好きではないらしい、俺。
まず、一度ちゃんと見てみたかったというのが、大きいので、行った事に後悔は全く無し。
むしろ、行って良かった。画家の一生を扱うような作品展だから、網羅出来て良かったし、
そして、何より、見るべき絵があった!!!

「かささぎ」
その作家が好きであるとか、嫌いであるとか、そんなの関係無く、ただひたすらに
良いものは良い。と言える作品。歴史に残る名品!
構図や表現方法、そして色彩。ただただ美しい。この作品の前だけは、常にひとだかりが
居たと思う。とにかく、どんな感性にも(一応、日本人の感性としておこうか)響くであろう。赤ちゃんの笑顔が無条件にかわいいように、この絵はすばらしい!!
こうゆう絵に出会えてしまう、そして、こうゆう絵がこの世にあるという事を思うと、
ただただ幸せと感謝を捧げたくなる。

その他にも気に入った絵はあった。
ルーアン大聖堂。霧と2パターン。一番脂がのっている事に描かれたのであろう、度肝を抜かれる才能の絵。そして、これを大胆にリキテンスタインが作品に応用していて、これも一緒に飾ってある。ウォーホルがスーパースターとして君臨しているポップアートであるが、リキテンスタインは、マストロエとも言うべき、恐るべき職人である。この作品を切り取り、自分の作品にしてしまうなんて、、、脱帽。
あと気に入ったのは、やっぱり水を使った影の表現の数々。水に揺らめく建物を点描で写し取る技量は、なんだろうね?結構暗いトーンの絵も多いんだけど、鮮やかな空が描かれたものやピンク色を多用している作品は、全体に好印象だった。
逆に、いわいる「モネ」という感じの、積みわらや睡蓮は好きになれなかった。この連作の最高傑作は、今回の展示には来れなかったのかな?

そして、この作家は時系列が分かり易い事が分かった。表現方法や表現対象が、時代でどんどん変わって行ったのが、よく分かる。作品を見て、「あ、これは1880年代だろう。」とかほとんど当たった。唯一の例外が、上記の「かささぎ」だった。油が乗り切っている1890年から1900年に描かれたものかな?と思ったら、1860年代。かなり初期に分類される作品だった。確かにそう言われると、雪という単色をモチーフにしているから、色の変化の量はおのずと限定されるので、技量も最高期ほどのものがいらなかったのだな。とは思えるが、
逆に、1860年に、この名画を完成させるセンスがあっただけで、この人は、後の一生を描き続けなければいけない人間なのだと、世間とそれこそ神様にさえ証明してしまったような気がする。

自身の写真を見ると、気の良さそうなひげのおじさんである。
こんな人が、あの色彩感覚と技量を持っていると思うと不思議。
でも、晩年の変化した作品を時系列を追って、見て行くとなんとなく納得出来る。
齢を取るというのは、何でもあり。みたいな、全てが混ざり合い、許し合える状態になるのだろうなと、絵を見ながら、YMOの御仁たちの事を想ったりして、考えた。
そんな風に齢を取った時、俺も、豪快で屈託ない表現を人生にも獲得していたいなと思った。


この新美術館って、どうなんだろう。かなりせまい気もしたし、額がね、あまりに揃いすぎているのも気になったんだけど、あれは、本当にモネのセレクト方法なのかな?
ちょっと、正直、作品を見せるという事に関して、今一歩な感じがした。考え抜きがひとつ足りないというか、無難で才能が無さそうというか、、、何生意気な事言ってんだろうね、俺。

今回は、とにかく、あの「かささぎ」に出会えただけで大満足である。
オルセー美術館蔵なので、いつか、ルーブルに行く時に、また再会したいと思う。
やっぱり、絵画鑑賞は素晴らしい!そして止められない!!


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向田邦子 果敢なる生涯 [展覧会]

何故、向田邦子を好きなのだろう?と考えて、それを文章にしようと思ったのだけど、
全く、考えをまとめる事が出来なかった。堂々巡り。

何故堂々巡りに陥るかというと、ほとんど自分の考え方や生き方の根幹を成している人だと
気づいてしまったからだ。
今更、考え方の根っこの人を改めて考えられる訳が無いだろう。思想自体がこの人なのだから。
向田邦子は理想であり、原点なのだと思う。
覚えてないのだけれど、高校の時に、村上龍、吉本ばななと共に読み始めた最初の作家だと
思う。多分はじめは「あ・うん」。
・美味しいものに本気になること。・ありとあらゆるシーンにおけるセンス。・文才。
そのどれもこれもが、真似をしたいと共に、憧れとして、自らに関わっている。

だから、今回は、好きな人の息吹を少しだけでも感じる事が出来ればよいのだ。
彼女の事を評価するのは、自分の行動で示せば良い。

広く、彼女の生涯に迫る、今回の展示。
とてもすばらしいものだった。
あの大きさの展示場に、あれだけ長い間居て、全く飽きる事も疲れる事も無く、
最後まで充実した時を過ごせたというのは、不思議なものだ。
展示者側も、大変な愛情を持って、企画した展示なのだと思う。

生の原稿は、初めて見た。何かに「字が汚くて読めない。」という話があったと思ったけど、
あれは、読むのは大変そうだ。(笑)でも、それも個性。そして、その中身が珠玉の作品たちなのだから、受け手側は、別に労苦にならなかっただろう。むしろ、その中から出て来る言葉を出す作業は、心地よい時間だったのではないだろうか。
今回、一番心惹かれたのは、彼女の恋文。上手く説明出来ないので、そのまま写す。
「妹のはなしだと、ロクベエの落タンぶりは見るも哀れだとかで、私がいないと、火の気のない私のコタツの上でないているそうで、母などホロリの一幕があったそうです。やっぱりアイツはいい奴だ。誰かさんみたいに、こなくても平気だよ、なんて、ひどいことはいわないもん。
いまミカンをひとつたべました。やはり空気が乾燥しているのか、ミカンがとてもおいしい。一日に五つから七つはたべます。そのうちに美人になるでしょう。」
こんなかわいらしい文章でかつ上手い文章。。。美しく切なく心に残る。。。
そして、この頃のポートレートは本当に美しい!
びっくりしたけど、年表にお墓の住所が載っていた。いつか墓前にお参りに行きたいと思う。
最後に感想を書いて貼れる場所があったのだけれど、何を書いていいのか、全くまとまらず、、、「好きな人の前ではかっこつけていたい。」きっとそんな感じ。襟を正して、この文章を書いています。

向田邦子サマ。
あなたに会えて、私の人生はより多くの幸せを感じる時間を持てるようになったと思います。
ありがとうございます。


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レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像 [展覧会]

思わず、レオ様〜♪と呼びたくなります。

ダ・ヴィンチの絵を見るのは、勿論初めてな訳で、どんな衝撃を貰えるのか?興味津々でした。
まぁ、しかし、上野の国立博物館もここまでの超一級品が来ると、いつもと違うレイアウトになるんですね。
二つに建物が別れている内の片方が、この「受胎告知」だけなんて、、、まぁ、確かにそれだけのものでしょう。
なにしろ、今まで門外不出だったものを持って来た訳で、正直、どうやって、こんな許しというか駆け引きというか契約というか
をしたんでしょうかね。
きっともう一生目にする事は無いんだろうな。。わからんけど。

で、まず「受胎告知」。
ぶっちゃけ、宗教絡みの絵というのは、どうも初めからわざわざ見ようとは思わないです。
今回のも、目に入ってきて、いきなり”バン!!!”みたいのはありませんでした。
「あぁ、上手くて面白い宗教画だなぁ。。」てな感じで眺め始めたのですが、
これが、いくら見ても、全然飽きない!見るたびに違うものが見えてきて、その度に発見があり、
また全体を見て、隅々を見て発見して、その他、いろいろなダ・ヴィンチの対する思惑などをしつつ
眺めて、かれこれ15分位絵の前にいたけど、まだ飽きない。最終的に、これはきりがないと思い、
最前列を通り、油絵のテカテカ感とか、本の台の大理石の質感とかデザインとかじっくり見て、
去ったが、去った後に、この絵の場面ごとのアップ写真があって、山の下に街が描いてあるとか
花の描写の細かさとか、まだまだ見ていない部分を発見して、
「こりゃあ、一時間とかあっても見きれないかもしれないな。。。そして、多分一時間見てもやっぱり飽きないんだろうな。」
という感想を持った事にびっくりした!
もちろん、前提として、これを描いたのがレオナルド・ダ・ヴィンチという事を知っているからという事もあるんだろうけど、
それにしても、いくら見ても飽きないだろうな。なんて感想を持った絵なんてあっただろうか?
奈良さんの絵とは、何枚か、もうどうしようもなく惹き付けられて離れられない絵というのがあるが、あれは、強力な磁石の
ような強さを持つ絵で、
今回の「受胎告知」は、何か強烈なものを発していると感じているわけじゃないのに、すんなりとずうーっと見てられる。
そして、飽きない。というちょっとよくわからない感想を持ったものだった。
こんな絵の前に椅子でも持って来て、一時間でも二時間でも、一人で対峙してみたいものだ。
ふーむ。これがダ・ヴィンチなのか。。。。。

で、平成館に移って、ダ・ヴィンチの手稿を元にした、彼の数々の考察を立体化したり、具体化したものを並べた展示。
知識として、知ってはいるけれど、この量と細かさと多岐に渡っているジャンルを見せられるとやっぱりびっくりする。
貫かれているのは、”世界は美しいフォルムで出来上がっている”という事を事実として、様々な検証と考察、
そしてそれらを応用した芸術と一般社会への貢献する態度という事になろうか。
絵を表現の頂点というような記述があったけれど、もし映画があったなら、彼は映画を頂点と見て取り組んだ事だろう。
しかし、世間からは、狂人扱いされただろうなぁ、やっぱり。あまりに広すぎて深すぎて集中しすぎていたのだろうから、、
学者さんとしては、理想的な状態にあったのだろう。そりゃあいろいろ彼なりに大変な事はたくさんあっただろうけど。
研究に一生を捧げたという事からすると幸せだったに違いない。
この中で気に入ったのは、まず永久機関のデザイン。ありゃあすごい。今なら出来るんじゃね?とか思わせる面白い機構。
あと、ダ・ヴィンチ・ノットと言われる文様の美しさ。あぁ、フラクタルの原型みたいな、、、自然を本気で眺めるとああゆうものも
この天才には見えてくるんだなぁ。。
巨大な馬の鋳造のビデオは、これを造る為にいろいろな工法を考え出したというのが分かって、かなり面白かったし、
基本的にどの解説ビデオも良く出来ていた。
黄金律とか遠近法とかって、当たり前に感じているけれど、当たり前のものを説明するのって難しいよな。
彼や歴史上の人物が、きちんと与えてくれた上に、うちらの常識があるのだなと、空気遠近法の説明には
感心感動した。

全体として、「どひゃーーー!!!」って言うような感動はないんだけど、
知の全景をこうやってみせてもらうと、じわじわじわ〜っと染みてくるものがある。
そして、絵画に関しては、彼の知識が総動員され、その時の自分の限界に挑んで描かれているのが伝わってくる。
どこまでやるか?みたいな線引きではなく、彼が全力で取り組み納得いった時が完成だったのだろう。
そして、その納得出来る場所が、常人とは初めからかけ離れていたのだろう。

あらゆる方向の知識を得ようとした態度には、とても感銘を覚える。
俺も同じような事を考えてるし。彼のようにその中で秀でたものがあればいいのだけれど。。。

帰りに図録と「モナリザ」のポストカードを買った。
なんか、ベタを超えて、「モナリザ」って一家に一枚あっても不思議じゃない位な気がしてしまった。
でも、よく考えると、「モナリザ」のポストカードって普段、アートショップとかでも見ない気がする。
結構、版権としても普段は門外不出なのかな。
「モナリザ」はなんとなーく、机のちょっと端の方に、いつもなんとなーく置いておいて見れるようにして
置いておきたい。
謎と普遍が手元においてあるのは、なんとなく気持ちいい気がします。


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ダリ展 [展覧会]

「わたしはダリでしょう?」
こんなしょうもないコピーがしっくりくる天才画家という時点でだいたいすごい!

ダリ展に行って来た。
まず、、、混み過ぎ。。。
平日の昼間だぞ!!
日本人って、結構展覧会に行く人が多い民族じゃないのかな?

俺の混んでる時の一般的な展覧会の見方。
まず、一気になめる程度に最後までみてしまう。その中であまりに衝撃を受けたものは、
そこでかなりの時間は止まるが。。
その後、なめてみた中でピン!と来たものをじっくり見る。

ダリは、正直、それほど好きな画家ではない。ただ、その生き方自体は、とてもリスペクトしている。
彼の著書に「天才の日記」というのがあるが、前にちらっと図書館で読んで、その明晰な文章に関心して
しまった。絵より、やっぱり彼自身に興味がある。

今回の展示は、幼少から晩年までを網羅した展示で、とても興味を持てた。絵というより、生きた足あとのような
展示だったから。
まだ、若かりし頃の絵。
いろいろな模倣が混じっていて好ましかった。彼ももちろん初めから天才ではない。
印象派のようなタッチがあったり、キュビズムも取り入れていたり、はたまた、シャガールの色彩を真似した絵まであった。その中から作家性が生まれていく過程が面白い。
いわゆるシュールリアリズムの絵で惹かれるのは、そのテーマや奇抜な表現では無く、ものすごい絵の上手さ、精密さだ。彼のテーマを描く事が許されるのは、その絵を精密に描けるテクニックがあるからこそだ!そしてそれ自体が見るに値するものだ。と思う。何度も描いているアトリエから見える海の絵。シュールリアリズムの絵のバックになっている事もある、この海の島や雲の感じの写真のような正確さがあるからこそ、シュールリアリズムは引き立つ!
その塗りの方法が見たくて、絵に光が当たるように下からみたり斜めから見たり。なかなか楽しかった。
そして、晩年の作品。これらに私は初めて対峙した。過去の巨匠の作品を自分の絵の中に大胆に取り入れた作品が、私はとても好きになれた。きっと(勝手な想像だが)綿密な絵も書けなくなってしまったのでは無いか?しかし、そこだけに固執するわけではなく、ミケランジェロ等の作品を大胆にトリミングし、自分の絵のモチーフに当てはめて、さらなる作品としている。ピエタの作品はとてもステキだった。。。騎士の大胆なトリミングもとても好ましかった。
彼は最後まで探求の画家だったのだな。。。
ものつくりにおいて、今の時点では、続ける事が一番大事だと思う。きっと続ける事=生きる事、生き様を今の俺は一番見たいんだと思う。

しかし、自分が欲しいポストカードが、最近美術館や展覧会に用意されてない事が多いな。。。そんなに人と趣味が違うんやろうか。。。&美術館にいる女の子は何故かとてもかわいいと思うのだが、、これも気のせいか、趣味が合いそうだからか。。


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若冲と江戸絵画展 プライスコレクション [展覧会]

「鎖国が広げた創造性と芳醇な江戸文化」
そんな言葉が浮かぶ。。

江戸末期。歴史的観点からみると、たまたま末期だったような気もするが、やはりそうではなく、
あらゆる面においていきづまりが起きていたのではなかろうか?
文化が育つ背景には裕福さがあると思う。裕福さは廃退も孕むだろうし、想像する余裕も生むと思う。
京にこれだけの絵師が同時代に居られた事は、要するに贅沢だったのだ。町として。もちろんそれは悪い事ではない。
あらゆる進化を生み出してくれる可能性が広がるから。
そんな中で出てきたのが若冲なのだろう。
大胆と繊細さ。
また、他の絵師全体に通じる手法ではあるが、背景のデザイン化。
全く今を持ってしても、ものすごい想像力であると言わざるを得ない。
構図の取り方、それ以前のデザイン性、扇子や屏風、掛け軸の可能性を広げまくっている手法。
日本という中で、鎖国体制の中で、文化が蒸留されていくのがよくわかる。
見られない虎を皆が描く。必死に想像力を頭の中で広げる。
手法は、もう日本には見本とするものが無いから、自分で編み出す。
リアリズム、キュビズムと同じような反応が、この時代に起きているのだ。
そんな事に気づけなかった(いや、気づけないな)日本人は海外にばんばん作品を流してしまったのだから。。。
まぁ、止めよう。ちゃんと帰ってきて評価されているのだから。

●気に入った作品

まず、伊藤若冲「鶴図屏風」。全く持ってピカソだよなぁ。と思う。繊細にも描けるのに、
ぎりぎりまで単純化させる遊び心。単純化の美しさ。
屏風はきっと、生活の中で当たり前のように様々な使い方をされるものなのだろう。
いつも綺麗な絵の屏風。という訳にも行かないだろう。こうゆう軽さを持ったものも必要なのだろう。
まぁ、しかし、和んで美しいです。はい。
こんな屏風の建てられる家に住みたいです。

次、伊藤若冲「群鶴図」
上の鶴とは真逆の繊細な鶴。レースのような羽の美しさ。若冲さん、鶴も飼ってたのかなぁ。
しかし、この絵の一番面白い所は、絵の構成自体の楽しさにあります。これも遊び心が満載です。
身体と首の数、合ってないんじゃない?でも、そんな事はどうでも良くて、美しくて楽しい奇跡のような作品。

伊藤若冲「伏見人形図」
今回唯一買ったポストカード。他のはね、結局本物の迫力が強すぎて、ポストカードサイズで見てもダメなんですよ。
その点、この絵はただひたすらほのぼのと。特筆して何がすごいという絵ではないのですが、毎日愛でるには良い絵です。ちょっと手を合わせてみたり。日常に少し余裕を持たせてくれます。

そしてやっぱり、伊藤若冲「紫陽花双鶏図」
ずうーっと見てるとね、目をギョロってこっち向けて、動き出しそうです。
動いても、多分びっくりしないんじゃないかな。超絶な美しさ。緊張感みなぎる全体構図。
この構図を得て、このリアルな絵を描かれて、、、昔のイタリアとかなら、創造主と見られ悪魔扱いだよ。
こんな絵を描ける環境に彼がいた事に感謝せざるを得ない。世の中に美しいものはひとつでも多く残していきたい。

作者不詳「紅白梅図屏風」
なんとも、楽しい絵です。本当に一本の木に紅色と白色の花をつける種類の梅の木があるそうですね。
ただ、これは梅自体はリアルに描いていますが、一番の主眼は、楽しさを演出する事だったのだろうと
思います。梅花の下に横たわる木と短冊との構図は、リアルな世界では取れない位置です。が、そんな事を
描きたいのではなく、楽しさの演出の為の形で、見事です。本物の花をみて、思わず心がほころぶように、
この屏風を見てもほころびます。ああやっぱり屏風の置ける家に住みたい。。

葛蛇玉「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」
今回の展示品の中で、一番緊張感のオーラを放っていた作品。
技法、構成、構図、すばらしい!!!
しかし、一体こんな屏風を置く部屋って、どんな場所だろう。
精神統一を計るような場所?道場や寺院だろうか。階級の高い武士が持つ自室だろうか。
美しさに背筋がすっと伸びます。

その他、長沢蘆雪という名前を覚えました。この人もかなり振幅のある絵を描く人です。
すごいです。
河鍋暁斎さんも面白い。明治の人のようですが。
江戸琳派のデザインも見事でした。

とにかく、ぶっちぎりに心奪われるというより、理論的に咀嚼するように見たので自分にフィードバックを
かけられそうです。楽しかった♪

p.s.谷口吉生さんの法隆寺宝物館も見られて良かった。これはまた今度見に行こう。暑くてゆっくり見られんよ。
秋口にでも外のベンチに座ってゆっくり観賞したいです。


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デコ展 [展覧会]

友人の展覧会を原宿に見に行く。
まず、あいつどうやってこの店に入って写真とったんだ?そんな雰囲気の店じゃないぞ!
店員さんが店にマッチしたプロフェッショナルなかわいらしさ。
自分とは全くと言っていいほどの無関係さなのだが、
この店の雰囲気とプロフェッショナルリズムは尊敬できる。

さて、絵は前より落ち着いていると言うか、奇麗に固まって来ている。
ああゆうコラージュの中にも修練と落ち着く所がでてくるのだなぁ。
並列に物語を描ききって行く方法のひとつ、情報を一気に描く事は
ゆめなのだろうなぁ、、、タクシーたちが妙に上手くはまってる。
変える所まで来たか? 「でんわにでたのはだれ?」は
今の極みだろう。あれをもっと大きくする事はできるけど。

俺が彼にできること。質問されたら答えをさがすだけ。そして俺は作品の前で微笑むだけだ!


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ドイツ銀行コレクション with ザハ ハディド at原美術館 [展覧会]

久しぶりに原美術館に行く。都心に出る用事があって、約束の時間までに何か見に行きたかった。
そこで、チラチラ調べていたら、”ザハ”の名前を見つけた。
ザハ ハディド。現在最高水準の建築家の一人。

去年から、建築にものすごく興味を持ってしまった。
簡単に言うと、建築の総合芸術の側面に惹かれている。
建築と映画は似ている。それが全てで映画を見るように建築も観て行きたいと思っている。

ザハの作品を(仕事を)、原美術館で観れる!これはとにかく行かなければならなかった。

さて、それでもって、まず内容です。
ドイツ銀行のコレクションを一堂に会した展覧会。
ザハは、床の模様とオブジェを提供。

まず、コレクション自体についてですが、な、なんと現代美術のカテゴリーのものばっかりを展示。
私が知っている人はいませんでした。切り絵の人や山に丸を描いた画の人(説明できない)、
知り合いと同じ色使いをした作品(真似したような色使いだった。描くモチーフが違うけど)
など興味深いものはありましたが、”ぐっ!”と引き寄せられるような作品には出会えませんでした。
ただ、すごいなと思うのは、ドイツ銀行という所が、これらの作品をコレクションとして購入している
という所。購入というのは、投資的な側面も孕んでいるわけで、そこにこのような現代美術を揃える
というのは、すごい事だと思う。銀行の顧客の観点から考えると、「こんな所に投資して、この銀行は
大丈夫かいな。。」と思われたりしてもしょうがないと思うし。しかし、ヨーロッパという場所なのだろうか?
このスタンスは、すばらしいと思う。日本の銀行でこんな真似が出来る所って、あるかしら。
地方銀行とかなら出来そうだけど。ドイツ銀行って、日本だと日本銀行とかって事だよね?
(日本銀行とは違う役割の普通の銀行だと思うけど)
作品より、この姿勢に感動。

それで、ザハですが、正直、あまり”?”でした。やっぱり建築じゃないと評価は出来ません。
原美術館の中庭に、大きなオブジェが置いてあって、あれは建物とマッチして圧巻だったな。
もともときれいな庭なんだけど、あのオブジェともすごくマッチして異空間を作り上げていた。
ただ、ザハじゃなくてもね。。という気はしました。あんだけ大きなものを作れるのは確かにすごいです。
床のコーディネイトも”良かった”という程度。ま、期待しすぎたのかもしれません。原美術館自体が
すばらしい建築で、あれに対抗した”何か”があるのかと期待していた自分の勘違いですね。

さて、原美術館の事も少々。
今まで気がつかなかったのですが、入り口付近にメンバーシップ募集のポスターが貼ってあるんですけど、
このポスターも(中身は変えずに)展示に合わせて、文字の色を変えていました。これはすごい気遣い。
かなりびっくり!
そして、奈良ルームはいまだにひっそりと監視カメラがついて置いてありました。AtoZのポスターが
さりげなく置いてあったから、たまに少々いじるんでしょうね。おもろいおもろい。

ミュージアムショップで面白いものを発見!
マウスを動かすと猫が逃げるマウスパッド!もう一目惚れ!!良い買い物買い物!

やっぱり原美術館は楽しいねー!また来よう


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