SSブログ

20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代 [展覧会]

良い絵からは、音が鳴っている。
静かなものは通低音が、激しいものはリズムやメロディが、
聴こえてくる。

bunkamuraミュージアムのピカソとクレーの展覧会に行く。

行ってみたら、全然、ピカソとクレーの展覧会ではなく、ドイツのなんちゃら州立美術館展であった。
ここの美術館のコレクションで一番充実しているのが、クレーの作品群という事で、それに日本で人気のある
ピカソという名前を付けたみたい。
内容としては、この美術館が所蔵している20世紀初頭の絵画作品の展示となる。

そんな感じだったので、ちょっと拍子抜け。
ピカソはリストを見ると6点。
ま、その中に確かに大作にふさわしいものが2点入っていたから良しとしましょう。

展示の流れとしては、20世紀初頭のムーヴメント(野獣派とかキュビズムとかシュールリアリズムとか)
を分けて、最後にクレーの作品群。
きっと、実際にこの美術館もこのように展示しているんでしょうね。

とにかく、少しイメージが違ったので、単純に画たちと向き合うことにしました。
さすがにドイツの美術館だけあって、知らないドイツの作家もたくさんいたしね。

そんな気持ちで見ていたら、音楽が聞こえてきたのです。
例えば、ピカソの大作「鏡の前の女」。画全体から暖かな風が流れているような美しい通低音が響いていました。
マンレイの絵画作品は初めて見た気がしますが、威厳のあるトランペットの音。
シュールリアリズムの作品たちは、無音という形の音を出しています。
実際にこの運動は、無音を目指していたのだと思う。だからあまり好きではないんだろうな。
あと違うけど、ミロには岡本太郎を感じるね。

名を知らぬ画家で気に入った画としては、ハイム・スーチン「キジのある静物」。ジョルジョ・モランディ「静物(青い花瓶)」
ここの美術館全体としての特色として、静かな作品が多い気がします。静かだけどきちんと鳴っているような。

クレーの作品群は、確かに質・量で圧倒的です。
好きな方にはたまらないでしょうが、私は、この作家をよく知らず、知りたいという意味で(あとポスターの絵が可愛いので見たくて)
行ったので、そこまでキませんでした。
画って難しいよなぁ。というか好きか好きでないかというだけだと思うんですがね。
多分、この展示自体を貫いている静かなトーンというのが、自分に合わないのでしょう。

クレーは静かに可愛い画たちでした。
スプレーを使用したピエロ?とか「黒い領主」とか「ラクダ」とか「宝物」とか「赤いチョッキ」とか
素敵ですよ、確かに。
木漏れ日の入る喫茶店とか、静かな女の子の部屋とかに合う。と思う。
あまり強くない日の光と合うという感じ。

逆に今回は、画から音楽を感じ取れるほど、静けさのある展覧会だったのかもしれない。
これは、この美術館のもつトーンそのものなんじゃないかな。
ある種の特色を持てるという事に対しては、単純に敬意を払うべきだろう。
そこには間違えなく努力があるから。

そんな静かな昼下がりを春の3連休に感じる事ができましたとさ。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。