SSブログ

ノーカントリー [映画]

観終わった後、すぐは、全然ピント来なかった。
ただ、外に出て、宣伝用のポスターと一緒に貼ってあった感想をみて、「おお!」と思った。
観る基準を社会性に置くのではなく、ノワール映画とすると、むしろすっきりして、且つそれ以外に
孕んでいる部分も鮮明になった。

確かに、強烈な犯罪映画である。
迫り来る恐怖感やあの特殊な武器の不気味な感じ。
そして勿論、殺人鬼のキャラクター!
どれもこれもが、暗い緊張感を常にたたえていた。

こちらの方面から見ると、警官のエゴや人々の適当さや不道徳さが見えてくる。
アカデミーで作品賞を取ってしまったから、映画を観る目に変にフィルターをかけてしまったのだ。
メキシコとの国境線周辺はこんな風に常にきな臭く、ムチャクチャが横行しているんだろうなぁと
リアルに思える。それは、ノワールと共に描き切れていると思う。

俺は、コーエン兄弟の中にある、”笑い”の要素が好きで観に行くのだが、今作は、それが抑えられている
。もう無理矢理にひねり出すならば、トミーリージョーンズか、主人公のカミさんのお袋さんが、それに当たるのだろう。
そういう意味では、かなり正統派に属する作品になるような気がする。

ノワールとして、正統なのだ。
助演男優賞を獲った、ハビエルバルデムに注目が集まるようだが、あの殺人鬼の不気味さは、俺の中では、想定の範囲内だった。演技も素晴らしいとは思うが、脚本がよく出来ていたのだろうとも思える。
今作を一番魅力的にしているのは、あの特殊圧縮空気の武器だろう。
あれを考え出し、効果的に使う脚本を描いた時点で、この映画の勝ちは決まったと思う。
あのアイデアは、原作にあったのだろうか?
だとしたら、映画化権を持ち、それらを完璧に監督、脚本、キャストに割り振った、
プロデューサーがすごい!!!
コーエン兄弟が兼ねているのかな??

映画としては優秀なのだろうけど、今、自分が欲しているものは無かった。
ただ、やっぱり、コーエン兄弟の映画は観続けないといけないと思う。
同時代の表現者として。いやむしろ、アメリカを代表する表現者の表現として。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。