SSブログ

崖の上のポニョ [映画]

ぽにょ。って来た。
観る前は勝手に少々重い話も入って来るんじゃないかと思っていたけど、ぜんぜーん!
単純に見て楽しめる映画になっていた。
まず、このような作品を創れる宮崎駿監督の若々しいエネルギーを賞賛したい。
5歳の男の子と女の子の話を67歳の監督が創る。それも現代的な視点も持って。
これは離れ業であるし、本で読んでしまったから知っているのだが、これは
製作期間を長く取れたおかげだと思う。間にゲドが入ってくれたからね。
考察する時間がたくさんあったわけです。逆にそれじゃなくては、ここまでの爽快さと深さを
持つ作品は創れなかったと思う。(わからんけどね。)

次に、アニメーションとしての遊び心と画が動く事の歓びが溢れているのが、
観ていて、ホントに気持ちいい。
現実じゃあり得ないような事を遊び心として描く事はホントに気持ちいいものだ。
勿論、ハナから実写じゃ無理な表現やCGでも可能かもしれないけど全然違うものに
なってしまうものもあるから、どれが良いという話ではないのだが、
”アソビゴコロ”。これが大切!
車のシーン。うじゃうじゃいる海洋生物たち。目がついた波。ポニョの顔の七変化。
天を舞う子ポニョの変身。etcetc.
絵だけで笑わせる事が出来る事。この楽しさ、気持ちよさが満載であった。
素晴らしい!

そして、もちろんそのような事だけじゃなく、深く読み取りたくなる部分(それが監督の意図する
所とは違うとしても)もある。
一番違和感があったのは、監督さんも意識的にやっていると言っていたみたいだけど、
ソウスケが、お父さん、お母さんを名前で呼ぶ所。これは本人の自立を表しているのだと思う。
こうゆう話は、他者と出会う事で、本人が成長するというストーリーになるのだが、
既にソウスケ君は、なんかとっても自立した子供のように見える。
(しかし、それが行き過ぎないようにお母さんが見つからないと泣いたりする。)
それと相まって、5歳のポニョ(とソウスケ)が、ポニョが人間になる事を本人達に選択させる事。
俺は初め、5歳の子供に、こんな重大な選択を軽々させていいのだろうか?と感じてしまった。
だが、その行為自体を肯定的に考えるとすると、5歳という年齢、つまり子供であるという事で
親の勝手な意見を押し付けてはいけないのだな。思った。
これは主人公が5歳だからこのような疑問が起きるのだが、
年齢と関係無く自立した個人として、人を扱う事。
他を尊重する事の大事さを監督さんは言いたかったのではないかなと思った。
自分勝手な人が多い世の中に対する警鐘かなと思った。
そういう意味で対としてお父さんを出しているのかも。(でも全然憎めない良い人。)

あとは、これは老練な監督さんだからこその作家性のような自分の理想とする世界を出していたのも
良かった。あの幼稚園と介護ホームが併設しているというカタチ。
今、多分ああゆう形を取った施設は無いんじゃないかな、まだ。
あれは、監督さんの中にある理想の相互の学びとエネルギーの交換が出来る場所だと思う。
自分の考える事、それもこれほど具体的なプランを堂々と入れているのは、いいよね。
これほどの規模の映画でも、いや、これほどの規模の映画だからこそ、自分の主張を入れるべき!

個人的には、宮崎アニメの集大成的な感じで、とにかくすっっっごく!!!良かった!
アニメの爽快さ、優しさがいっぱいいっぱい詰まっていた!
傑作だと思います。

P.S.どうでもいいけど気になった点。コウスケが帰れなくなってリサがふてくされている所で、
やっとソウスケの気持ちに気づいてリサが元気になる所。リサの台詞「私は〜元気〜」は
トトロの歌の節です。みんな気づいたよね!?


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。