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フェルメールとデルフトスタイル [展覧会]

想像以上に全体として良い展示であった。
作品を絞っている所と、多分、フロアー構成と人の流れと作品の質と見せ方が完璧に理解出来ている人が
キュレーターとして居るのだろう。
すごい高い満足度!

個々としては
まず、初めの建造物フロアーにある教会の絵がすばらしい!!
卓越したテクニックと描画の創造力。絵のタイプとしては別段好きでは無いけれど、
とにかく創造力がすごい!のっけからこれで嬉しくなる。
次に、天才と謳われたファブリティウスの絵を観る事が出来るとは!!
フェルメールの時代を語る時に必ず出てくるこの名前。
若くして亡くなり現存する絵が少ないと聴いていたから、それこそオランダに行かないと観れないものと
思っていた。
それが4点も来ている!!有名な魚眼の街の絵、レンブラントのような自画像などあったが、
一番良かったのは、兵隊が一人休んでいる絵!
パッと見、写真かと思える光を含めた描画力とモティーフも状況も不思議で観る者に想像力を奮い立たせる。
極端な例として、ピカソのキュビズムのような???が、この絵から沸き上がってくる。
こうゆう絵はなかなか無い。変な絵というのは多いけど、想像力をかき立てる絵というのは。
いやぁ、もうこんな絵に会えて嬉しかった!

そして、フェルメールです。
今回は、なんと7点!!!!
初期から晩年までおさえた圧巻のラインナップです!
個人的見解としては、フェルメールは全キャリアがすばらしい訳ではありません。
しかし、現存する30数点の中に、他の画家には到達出来なかった作品が数点あります。
そんな中、今回は、自分が観た中で最高のフェルメールに出会えました!

『ワイングラスを持つ娘』

フェルメールの特徴である光の技術が遺憾なく発揮されています。
赤のドレスの信じられない色の階調と影。しわの付き方まで一体フェルメールはどうやって
描いたのだろう??想像の中からこれをどうやったら再現出来るのだろう??
そして、大好きな「フェルメールの白」!
フェルメールは青!と世間ではよく言いますが、俺にとっては彼は白!の画家。
青も明らかに入っている、この白の光による変化が、絵を凛と引き立てます。
又、今回観ていて思ったけど、この白の色はやっぱり良く言われているようにカメラを用いて
世界を覗く事によって得られた色なんじゃないかなー、もしや。と思った。
それほど、この白の色は特殊な気がします。それがまぁフェルメールなんですがね。
他の「手紙を書く婦人」の白も階調としては綺麗なんだけど、あの凛とした白ではない。
俺は、あの”白”が観たいのだ!!
「婦人」のこの絵は、ここの白は綺麗だけど、後は少し技量が落ちているように見える。
そして、「ワイングラス〜」の絵をずうーっと見ていたら、少女の微笑みが少し赤ら顔なのも分かってきた。よく観ていると細部が湧き出て主張してくるようだ。
ただ、同時に粗も見えてくるけどね。。少女の腕の塗りが信じられないほど色が均一。
さすがにあまりにひどいので、ここは傷ついた絵を後から誰かが修正してしまったに違いない。
絵を美しいまま長年残すというのは本当に奇跡のような事なのだ。

今回で、合計10点のフェルメールを観た事になる。
ここまで来たら、全ての作品を観てみたいね!まだ「真珠の首飾り」も観てないし。
なんとか生きている間に「合奏」にもお目にかかりたいし。。

あー!しかし至福の時間であった!!
まずはとにかく美術館のキュレーターのすばらしさに感謝したい!ありがとう!

アリガト.フェルメール☆
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